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五所川原市の伝承/匠
「虫」づくりを生業としている田沢氏の製作する山車は、虫と火まつりに参加する山車の中でも最大級の大きさを誇ります。虫おくりの行事は、昔津軽一円で行われていた民俗ですが、今は五所川原市、北・西津軽の一部でしか行われていません。長きにわたって、「虫送り」の民俗を継承してきた氏の木彫りの龍の頭は、趣深い意匠を感じさせます。
津軽地方の広い範囲に伝わる獅子舞は3匹の獅子が演ずるもので「風流」という民俗。風流とは人々に災厄をもたらす怨霊を鎮魂する意をもち、雅やかな仮装で躍動感のある踊りと獅子を伴うのが特徴。五所川原市の獅子舞は、長きにわたって「漆川」地区が、その貴重な民俗を継承し、虫おくりの行事に舞を披露しています。
津軽といえば三味線・民謡を連想する人が多いと思います。中でも津軽三味線の”弾き”の奏法は独特のもので、北津軽がその発祥でもあります。また民謡は、歴史的には上方より北前舟で伝来してきたものが、太いルーツをもっていますが、その哀調や野太さは、やはり津軽独自の風趣を漂わせています。JR五能線「リゾート列車しらかみ」でも堪能できます。
■厳しい風土から生まれた津軽三味線。元祖神原の仁太坊(本名秋元仁太郎・安政4年〜昭和3年)は、旧金木町の出身です。苦難の末、生きるための芸として造り出した「叩き奏法」。やがて、仁太坊門下の八人芸嘉瀬の桃や名手白川軍八郎などによって津軽三味線の基礎が築かれました。 ■今日、豪快華麗な津軽三味線の音楽は、全国に愛好者・ファンを魅了し、桜まつり期間中に開催される恒例の全国大会は盛況です。 ■平成12年春には「津軽三味線会館」もオープンしました。
古くから伝わる田植え踊りで、津軽4代目藩主信政公の命により、藩士鳴海伝右衛門が嘉瀬の新田開墾に全力を尽くしたものの、同僚のざん言により不遇な日々を過ごしていました。伝右衛門の忠僕奴徳助が主人の不遇を慰めようとして唄い、踊ったのが始まりと伝えられています。“石コ流れて木の葉こ沈む”の歌詞は誠実なものは恵まれず狡猾なものがはびこり残念なことだ。この世の中はサカサマだと藩政時代を風刺したものといわれています。
“さなぶり”は、田植え後に行われる虫送り行事が芸能化したもので、新田開拓時代から続けられてきた行事です。踊りは、津軽藩主信政公の勇姿をほめたたえたもので、五穀豊穣、害虫駆除、村内安全を祈った民俗芸能です。馬には殿様が乗り、手綱さばきの二人は共奴を表現したものと伝えられています。
「サイギ〜、サイギ〜」の掛声とお囃子にのせて霊峰岩木山へ年に一度、五穀豊穣の感謝と祈願を込め登拝する行事です。古くからこの地方の岩木山が見えるほとんどの地域で行われており、さくら祭り期間中には県下登山囃子金木大会が開かれます。
五所川原ねぷたのお囃子は、県内のねぷた囃子の中でも節数が多く、「侘び」「寂び」のある囃子となっています。
その威容と迫力で全国的な話題となった五所川原の「立佞武多」。圧倒的な高さを誇る人形ねぷたには、製作に膨大な時間と労力を費やします。 その年の祭りが終わるとすぐに来年に向けてその製作が行われます。手順は、祭り直後からその年の12月迄に1台目を補修、年が明けて3月迄に2台目を補修、4月から新規の3台目にとりかかります。その大きさゆえに20数パーツに分割して製作は進められ、祭りの1週間前にようやく組み立てられます。紙と木から成る張り子のねぷたを繋げ、台に固定していくには高度な技術と慎重さが必要ですが、何よりも完成・運行させようという立佞武づくりに携わる人達の仲間意識も必要不可欠な要素です。そしてその製作過程には、経験問わず誰でも参加できます。 立佞武多の製作過程は、まずパーツごとの骨組みから始まり、次に紙貼り・墨入れ・ロウ入れ・色づけへと進み、最終段階で台上に組み立てられます。参加できる作業は「紙貼り」と「色づけ」の2工程に限られますが、立佞武多の見栄えを決定する重要な工程といえます。紙貼りは、骨組みの形に沿って和紙を貼ってゆく大変根気のいる作業ですが、木と針金のねぷたが、いわゆる「肉付け」の作業により、徐々にその形を表してくる醍醐味は、言葉では言い表せません。 溶いたロウを各所に塗る「ロウ入れ」は、ねぷた特有の光沢感を出すだけでなく、色のニジミや混ざりを防止する役割もします。この工程により、ねぷたに鮮やかな絵柄を着けていく「色づけ」の仕上がりが決まるともいえます。 何より参加し、幾人の手で作り上げられた立佞武多に灯がともされ、運行されることが一番の価値です。 立佞武多の館:TEL 0173-38-3232(代表)0173-38-6226(案内カウンター)
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